先日、年に一度ある複数のコールセンターが合同で行う研修に参加しました。
で、その時の資料に「〇〇様でございますね?」は誤りで、正しくは「〇〇様でいらっしゃいますね?」と書いてありました。
あれ?確かうちのコールセンターのトークスクリプトに…
人に対して「ございます」は使わない
「ございます。」は物や事象に対して使う丁寧語であって、人には使わないとのこと。
こんなの気にしたことなかったので、今回の研修はこれだけでも有意義な研修だったと言えます。
具体例
「〇〇様でございますか?」は誤り
正しくは「〇〇様でいらっしゃいますか?」
「他にご質問はございますか?」は正しい
「本人確認書類はございますか?」は正しい
まとめ
「ございますか?」は人に対しては使わない!
コメント
「いらっしゃる」は人に対してしか使えませんが、「ございます」は物だけではなく人にも使えます。
「いらっしゃる」は(~の状態で)いるという意味ですよね。
「お若くていらっしゃる」(若い状態でいる)、「お元気でいらっしゃる」(元気な状態でいる)という
使い方があります。「~様“で”いらっしゃいますか」というのは聞き取った名前の確認なのでしょうけど、
電話口にいる相手に対して「(~の状態で)いる」かどうかを訊くのはおかしいと思いませんか。
架電して電話に出た人が目的の人物ではなかった場合、「~様“は”いらっしゃいますか」と訊くのは
当然正しい使い方です。
「ございます」に英語のbe動詞(am, is, are)と同様の用法があるのを完全に無視しています。
人に対しても使える「ございます(~だ、~です)」の用法:
あたしは白鳥麗子だ。
わたしは白鳥麗子です。
私(わたくし)は白鳥麗子でございます。←「私=白鳥麗子」と言い切っているだけです。
物にしか使えない「ございます(~がある)」の用法:
うちの在庫はある。
当社の在庫はあります。
弊社の在庫“は”ございます。
これに対して、
「こちらは弊社の在庫“で”ございます。」なら「こちら=弊社の在庫」と言い切っている訳です。
「~様でいらっしゃいますか。」はむしろ間違いで、「~様でございますか。」が文法的にも正しい
日本語でしょうね。コールセンターでの日本語指導なんて嘘だらけです。
「ちゃんと」、「きちんと」、「しっかりと」という似たような語感の単語があって、
「ちゃんと」は俗的でNGなのはわかりますが、「しっかりと(確りと)は公文書に出てくるから、
きちんとを使うのは間違い」と言われてポカーンとなりました。
文書に使われるのは文語で、電話にしろ対面にしろ話し言葉は口語でしょう。
口頭で御社というべきところを貴社(記者、汽車、帰社???)と言われたら違和感があります。
>>これ、すごく気になってた!さん
詳しい説明ありがとうございます!
私の印象としては「ございます」は響きからなのか分かりませんが
謙譲語っぽい印象を持っている人がコールセンターには多いです。
「ございませんでしょうか?」
「ございませんでしたでしょうか?」
「いらっしゃいますでしょうか?」
こんな言い回しがコールセンターでは飛び交っていますが
この辺りもご考察いただけると嬉しいです。
あと「させていただきます」も聞いても話してもうんざりしています。。
上の例文を疑問形にしてみるとわかりやすいですよ。
自問自答だとおかしいので、
「おまえは白鳥麗子か。」
「あなたは白鳥麗子さんですか。」
「あなたは白鳥麗子様“で”ございますか。」
「白鳥麗子はいるか。」
「白鳥麗子さんはいますか。」
「白鳥麗子様“は”いらっしゃいますか。」
「白鳥麗子様“で”いらっしゃいますか。」
→「白鳥麗子さん“で”いますか。」
→「白鳥麗子“で”いるか。」
・・・ほら、どう考えてもおかしいでしょう。
電話応対の世界には決まりきった特有のフレーズ(架電、かしこまりましたetc.)があるので、
「~は使ってはいけない、使わない方がいい」とやたらに言葉狩りに気をとられるのは
あまり好きではありません。
「~と思います。」は使うなと言いますけど、連発するのがいけないのであって
「~していただければと思います。」=~してくれるといいなというニュアンスで
使う分にはまったく問題ないと思っています。
「存じます。」は他人行儀で慇懃無礼な響きがあるので、政治家や弁護士の事務所の受付
ならまだしも一般的なコールセンターで使われると小馬鹿にされているようにしか思えません。
「させていただきます」はこちらの都合という意味合いで使うなら問題ないでしょう。
それ以外なら「~いたします」。「させて~」も間違いではないので連発さえしなければ
いいのではありませんか。
上の例文を疑問形にしてみるとわかりやすいですよ。
自問自答だとおかしいので、
「おまえは白鳥麗子か。」
「あなたは白鳥麗子さんですか。」
「あなたは白鳥麗子様“で”ございますか。」
「白鳥麗子はいるか。」
「白鳥麗子さんはいますか。」
「白鳥麗子様“は”いらっしゃいますか。」
「白鳥麗子様“で”いらっしゃいますか。」
→「白鳥麗子さん“で”いますか。」
→「白鳥麗子“で”いるか。」
・・・ほら、どう考えてもおかしいでしょう。
要約すると、「ございます」というのは「~がある」「~だ・である」「~です・ます」の
丁寧語であって尊敬語でも謙譲語でもないということです。
電話応対の世界には決まりきった特有のフレーズ(架電、かしこまりましたetc.)があるので、
「~は使ってはいけない、使わない方がいい」とやたらに言葉狩りに気をとられるのは
あまり好きではありません。
「~と思います。」は使うなと言いますけど、連発するのがいけないのであって
「~していただければと思います。」=~してくれるといいなというニュアンスで
使う分にはまったく問題ないと思っています。
「存じます。」は他人行儀で慇懃無礼な響きがあるので、政治家や弁護士の事務所の受付
ならまだしも一般的なコールセンターで使われると小馬鹿にされているようにしか思えません。
「させていただきます」はこちらの都合という意味合いで使うなら問題ないでしょう。
それ以外なら「~いたします」。「させて~」も間違いではないので連発さえしなければ
いいのではありませんか。