「SV」って肩書だけじゃ中身わからん話
― 大規模センターと小規模センター、何もかも違う件 ―
「SV経験者です(ドヤ)」って言ってる人がいたとしても、
その人が100人規模のセンターで管理画面いじってただけなのか、
10人の現場で全部ひとりでやってたのかで、中身は天と地どころか火星と深海ぐらい違います。
今回は、そんな“SVの肩書詐欺問題”を踏まえて、大規模・小規模でどう役割が変わるのか解説します。
転職や異動を考えてる方、肩書だけで安心してると地雷踏みますよ。
大規模センターのSV
=「現場? ああ、そこに人いるらしいですね」ポジション
大規模センターでは、SVはもはや現場から遠く離れた数字の管理人です。
応答率・稼働率・AHTを見ながら「うーん、なんか悪いね」「リーダー何してるの?」とか言って、
とりあえずExcel開いとけばSVっぽく見えるという謎文化が根付いてます。
主な業務:
- 指標のチェックとスプレッドシートの量産
- リーダーに丸投げした育成指導の進捗確認
- クライアント報告資料の見栄え調整
- 「オペレーターとはほぼ会話しない」環境の構築
オペレーターから見れば、「あの人誰?」くらいの距離感。
なんなら、「名前だけ聞いたことあります」って言われたSVも実在します。
小規模センターのSV
=「受電も教育もクレームも掃除も俺だ」ポジション
こっちは真逆。
人が少ないから、やることがSVの枠を超えまくる。というか、枠がない。役割が曖昧とかじゃなく、全部やる前提で作られてない。
主な業務:
- 受電も対応もクレームも育成もマニュアルも「全部」
- 組織じゃなくて「人力でどうにか回す」タイプの現場
- 教えるよりも「一緒にやるから見て覚えて」が基本
- クレーム電話の後ろから「ごめんなさい!」って叫んでるの、大体SV
数字管理どころじゃない。
日々の対応で終わって帰ったら21時、とかザラです。
なのに、求人票では「SV業務:マネジメント中心です」って書かれてるの、なかなかの幻想。
リーダーの役割? センター規模で別モノです
ポジション | 大規模センター | 小規模センター |
---|---|---|
SV | 数値管理・報告中心、現場には降りない | 実質現場の最前線、なんでも屋 |
リーダー | オペレーターの面倒を現場で見る係 | そもそも存在しない or SVと兼任 |
クレーム処理も真逆
大規模:
SVは“状況把握と報告”係。
実際の対応はリーダーがして、SVは「その件、クライアントに報告しといて〜」って言うだけ。
小規模:
電話の第一声から最後の謝罪まで全部SV。
対応後の「報告書」も「改善策」も「教育計画」も全部自分で書く。
誰もやってくれないので。
つまり、SVとして“腕が磨かれる”のは圧倒的に小規模。消耗もしますけど。
大規模は仕組みで、小規模は人間力でまわす
項目 | 大規模 | 小規模 |
---|---|---|
情報共有 | 朝礼・メール・掲示板・チャット | 目が合ったらしゃべる、が基本 |
育成体制 | リーダーが対応、SVは確認係 | SVが全部やる。仕組みがない |
雰囲気づくり | リーダー次第 | SVの人間性にすべてがかかる |
どっちが上とかじゃない。合うかどうかだけ。
「大規模のSVは楽」「小規模は修行」って言い切る人もいますけど、
そもそも“求められてるもの”が違うので、比較する意味がないです。
観点 | 大規模 | 小規模 |
---|---|---|
向いてる人 | 調整・分析・報告が得意 | 現場支援・育成・対応が得意 |
会議・資料 | 多い。とにかく多い | 少ない。逆に仕組みがなさすぎて困る |
成長するスキル | 管理・報告・多部署連携 | 応対力・育成力・現場感 |
求人票で見るべきポイント
「SV」とだけ書いてある求人票、信用しないでください。
以下を確認しないと“入ってみたら地獄だった”系ミスを食らいます:
- 配属部署のオペレーター人数
- SVは何人在籍してるのか
- リーダー体制はあるのか、SVが兼任か
- クレームやトラブルの対応体制
- SVの1日の主な業務内容(受電・対応含むか)
面接でここ聞けないと、入社後に「これ求人票の話と違うじゃん」ってなる確率100%です。
最後に:SVって「名前は同じ、中身は現場次第」
同じ「SV」でも、場所が変わればやることも評価軸も変わります。
それを理解せずに転職すると、スキルが全然活かせなかったり、評価されずに詰みます。
肩書きより、「現場の実態」を見ること。
これ、どんな経験よりも大事です。
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